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伝統的な土壁の防火性能をあらためて考える

  • 2020.06.19

伝統的な土壁の防火性能をあらためて考える

阪神淡路大震災では、伝統的な土壁の住宅に大きな被害が集中しました。
倒壊した住宅市街地では、延焼が起こるケースも目立ちました。

伝統的な建物に大きな被害が多かったのは
すでに老朽化しているものが多かったことや
戦後の物資の不自由な時代に建てられた住宅も
少なくなかったことが考えられています。

このような事象をうけて、現在の建築基準法では
土壁の屋内側に石膏ボードなどの補強をおこなわないと
防火構造とならないと規制が強化されている現状があります。

伝統的な土壁を活かした家づくり・まちづくりに
大きな壁として立ちふさがった感があるわけです。

しかし、震災後の住宅のなかには
伝統構法を忠実に守り、丁寧に施工された木造住宅は
激震地にあっても健全に耐えられたものも少なくありません。
適切に維持管理されたものは
高い耐震性を保っていたことも
その後の調査で判明しているのです。

土壁は、本当に火事や地震に弱いのでしょうか?

じつは、伝統的な土壁の防火性能は
それを調べる実験がほとんど行われてこなかったという事実があります。
現在の法令も、実験データの不足によるもの
という解釈もあるそうです。

そんななかで、ひとつの実験結果を読みましたので
まとめてみることにしました。

早稲田大学教授である長谷見雄二博士による
土壁の防火実験です。
長谷見雄二氏は、建設省(現:国土交通省)の建築研究所で
防火研究室長として在籍されていた人物です。

土壁の防火実験は、具体的に厚さ123ミリの非常に厚い土壁で
外側に焼き杉板を貼ったものを使用し
大地震を模倣した水平加力を加えたあとに
加熱試験をおこなうものです。

実験結果では、防火構造をとばして
準耐火構造レベル(加熱45分以上の性能をもつ)の可能性があり
大地震後であっても準耐火90分以上の性能があったということでした。

日本の気候風土に調和し、長い歴史をもつ伝統的な工法は
これからも受け継がれてほしいと考えています。

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